「覚えなきゃ」のこと。

永嶋 玲 Official Web Site

2024/02/02 17:30

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今日は
ちょこっとだけ撮影現場に行き
 
1カットだけだったので、
午前中で終わり
 
 
夕方の予定まで時間があるので
 
その間
図書館でも行って
 
覚えなければならない台本を読もうかな、
と思って入ったら
 
全然イスが空いてねえ!
 
 
なんでや!
 
唯一空いているのは
児童向けのスペースのちっこいイスだけ。
 
さすがに
そこには座るわけにはいかない
 
 
腰が痛くなりそうだし
子供の邪魔になってしまう
 
腰が痛くなりそうだし
 
お母さん方に
どんな目で見られるか、分からない
 
「いくら席が空いてないからといって、子供用のイスに座るのは、さすがに常識はずれでしょ。
どうかしてるわ。頭おかしいんじゃないの?」
 
と思われても仕方がない
 
 
自分も
まだ若いとはいえ、
世間的には立派な大人である
 
社会的な立場と、良識的な観点をもとに
 
仕方なく
図書館を出ることにした
 
 
そして
すぐ近くの
市民館に移動した
 
 
市民館の11階には
レストランもあるようなので
 
まずは
そこで昼食をとることにした
 
 
行ってみると
 
はたして
「レストラン」を名乗っていいのか?
 
これは
 
いわゆる
「食堂」だろ…?
 
と思いながら
 
650円の
からあげ定食を注文した
 
 
「ご飯は普通盛りでよろしいですか?」
と聞かれたので
 
「はい」と答えた
 
 
そうしたら
 
わりと大きめのご飯茶碗に
満杯のご飯が渡された
 
これで
普通…?
 
だとしたら
 
大盛りは
はたして、どのぐらい大盛りなのだろう
 
昭和の漫画とかに登場するぐらいの量なのだろうか
 
 
やっぱり
ここは「レストラン」ではない
「食堂」だ…
 
この
ご飯の量は「レストラン」の量ではない
 
「食堂」の量だろう
 
 
しかし
そんなことを気にしている人間は
 
きっと僕しかいないのだろう
 
 
「食堂」だろうが
「レストラン」だろうが
 
そんなことは
きっと、どうでもいいことなのだろう
 
わたしは席に座り
定食を食べた
 
 
昼食を済ませたあと
 
市民館の2階まで
エレベーターで降り
 
そのへんのイスに座り
台本を読むことにした
 
さっきの図書館には
勉強中の学生らしき人もたくさんいたけれど
 
市民館は
お年寄りばかりで
 
ちょっと自分が浮いている気がする
 
 
別に
 
自分が思うほどには
周りは気にしていないだろう
 
 
しかし
 
この市民館は
暖房が効きすぎているのか
 
すごく暑い
 
 
なぜ
こんなに暖房を効かせているのか
 
あまりにも暑くて
ちょっと外の風を浴びたくなってきた
 
結局
市民館を出ることにした
 
 
そうして
駅前にある、
ちょっとした商業施設の屋上広場に移動した
 
実はわたしは
デパートとかの屋上や展望スペースみたいな場所が、ちょっと好きなのだ
 
 
よく時間が空いたときや
考え事をしたいときなどに
 
屋上のベンチに座って
ゆっくり過ごしたりすることがしばしばある
 
 
エレベーターを上がると、
ドアにはキャラクターのイラストが描いてあり
 
吹き出しには
「屋上からの眺めが、とってもいいんだよ」
と書いてあった
 
高まる期待と共に
ドアを開けてみると
 
そこには
 
ベンチもテーブルもなく
 
とにかく
 
なにもない
 
 
そして
 
屋上からの眺めは
 
駅を発着する電車や
バスターミナルが見えるけれど
 
別に
それほど良くない
 
 
キャラクターの名前は
すっかり忘れてしまったが
 
お前は、これのどこを見て
「とっても良い」と思ったのか
 
マジで、その感性を疑うわ。
 
どうかしてるぞ。マジで。
 
頭おかしいんじゃねえのか?
 
 
しかも
 
「眺めが良いんだよ!」
 
じゃなくて
 
「とっても良いんだよ!」
 
って書いてあった
 
 
「とっても」と言うぐらいではないだろ…
 
本当に
どうかしているぞ
 
 
しかし
好都合なのは
 
人がひとりもいない
 
 
そりゃあそうだ
 
ベンチもテーブルも
何もない
 
景色も
それほど良くない
 
おもしろくも
なんともない場所だ
 
 
しかし
 
さっきまで
謎に暑い市民館の中にいたので
 
外の風を浴びれるのは良かったし
多少なら台詞を声に出しても
迷惑にならないだろう
 
 
 
わたしは
 
何もない
イスすらない
商業施設の屋上で
 
ひとりで
プチ自主稽古
 
お金もかからないし
案外これも悪くないな
 
 
と思ったが
 
さすがに冬だし
 
この前
雪が降ったばかり
 
すぐに
寒くなったので
 
結局
近くのカフェに立ち寄ることにした。
 
 
そうしているうちに
予定の時刻が近づき、カフェを出たけれど
 
結局
まだ半分も覚えられてないな、台詞…。

 

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